LEDビジョン(大型ビジョン)のしくみ
1. LEDビジョンの画面構成について
下は(W)500 mm × (H)1,000 mmのキャビネットの写真です。
もし(W)4,000mm × (H)2,000mmのLEDビジョンを構築する場合は、このキャビネットを(W)8台 × (H)2台 = 16台を連結させて構築します。
このキャビネットには様々な種類があり、画面サイズ、取付場所により、弊社で最適な機種を選定します。
2. LEDビジョンの放映システム
LEDビジョンは、それ単体ではただのモニターですので、映像を出力するためのシステムが必要です。以下システムサンプルをご紹介いたします。
【システムサンプル 1 】
下図は、最もシンプルなシステムです。映像出力にはBright Sign(ブライトサイン)を使用しています。運用方法は、以下の通りです。
1.Windows PCで、放映データを作成する。
2.作成したデータをUSBメモリに格納する。
3.USBメモリをBright Signに差し込む。
※放映データ作成は、Bright Sign専用のソフトウェア(無料)が必要です。
【システムサンプル2】
下図は、スタンダードなシステムです。インターネット経由でWindows PCを遠隔操作し、運用することができます。(※VPNを使用して、本部にあるPCとサイネージプレイヤーを直接接続することもできます。)
【Windows PC遠隔操作の場合】
1.Windows PCに接続する。
2.接続したWindows PCで、放映データを作成する。
3.作成した放映データを、Windows PCからBright Signに直接送信する。
※放映データ作成には、Bright Sign専用ソフトウェア(無料)が必要です。
3. LEDビジョンで使用する主な機器
LEDビジョンコントローラー
MCTRL600・・・現在弊社で最も多く使用しているコントローラーです。入力端子には、「HDMI」と「DVI」の2種類があります。「SDI」等、上記とは別の端子を使用したい場合は、異なる型式のコントローラーもご用意できます。
上のシステムサンプルにあるLEDビジョンコントローラーは、LEDビジョンの様々な機能を制御するデバイスです。運用時の大きな役割は以下の通りです。
1.入力された信号を、LEDビジョンに出力する。
2.LEDビジョンの明るさを調整する。
1.入力された信号を、LEDビジョンに出力する。
LEDビジョンはモニターですが、映像出力機器を直接接続することはできません。そのため、「映像出力機器」 → 「LEDビジョンコントローラー」 → 「LEDビジョン」と経由させる必要があります。
2.LEDビジョンの明るさを調整する。
明るさの調整は、「調光センサーを使用した自動調光」と、「時間帯を指定した自動調光」の2種類があり、それぞれ0%~100%の段階で調整が可能です。調光をする理由は、昼夜や天候による外光の変化に対応し、常時映像を見やすくするためです。また、必要以上に明るくならないため、使用電力の節約にもなります。
※屋内使用など光の環境に変化がない場所では、明るさ固定で運用する場合もあります。
サイネージプレイヤー
弊社では、世界シェアNo1の「Bright Sign(ブライトサイン)」を使用しています。しかし、すでにご利用いただいているサイネージプレイヤーがあれば、そちらを使用することもできます。
サイネージプレイヤー以外のものを出力したい場合
LEDビジョンには、テレビやモニターに出力できるものであれば、何でも表示させることができます。しかし、「出力解像度を指定できる映像送出機器」 以外のものを出力したい場合 、通常のシステムでは正常に映像を出力することができません。
例えば、テレビをLEDビジョンに出力する場合。
テレビの解像度は、フルHD・・・(W)1,920 × (H)1,080や、4K・・・(W)3,840 × (H)2,160といった解像度ですが、LEDビジョンは多くの場合その解像度ではありません。
解像度(W)1,000 × (H)500のLEDビジョンに、フルHDの映像を出力した場合は下図のようにトリミングされてしまいます。
フルHD・・・(W)1,920 × (H)1,080を入力しても、LEDビジョンの解像度(W)1,000 × (H)500の範囲しか表示させることができません。コントローラーから出力はされていますが、LEDビジョン側の解像度が足りていないため限定的な表示となっています。
この解像度問題を解決するためには、「スケーラー」が必要です。
スケーラーとは、解像度を調整するデバイスで、LEDビジョンで使用する場合は「映像送出機器」と「LEDビジョンコントローラー」の間に接続します。映像送出機器の解像度を調整して、LEDビジョンコントローラーに出力しなければならないからです。
弊社では、株式会社デジタルアーツ社の「XC-1」を使用しています。XC-1は、タテとヨコのスケールを個別に「100%~1%」の段階で指定できるため、特殊な解像度が多いLEDビジョンと相性が良いからです。
※株式会社デジタルアーツ社製「XC-1」
このスケーラーを使用して下記の調整をすると、
(W)1,920を「53%」 → 1,017 pixels
(H)1,080を「47%」 → 507 pixels
少し余りが出ますが、LEDビジョンに映像全体を表示させることができます。
また、XC-1では、16:9を維持したまま上下に黒帯など、様々な設定が可能です。
4. LEDビジョンの消費電力
電気代試算
TKシリーズ
平均消費電力 : 240 W / ㎡
電気代単価 : 20円 / kwh
電気代 : 0.24 kw × 20円 = 1㎡あたり4.8円 / 時間
※基本料金や力率計算は含んでいません。
※電気代単価は、契約種別によって異なります。
(W)3,000 mm × (H)2,000 mmのLEDビジョンで、8:00~23:00まで運営する場合は、
面積6㎡ × 運営時間15時間 × 4.8円 = 1日あたり432円
という試算ができます。
5. LEDビジョンの耐用年数
※LEDパネル
LEDビジョン本体は、大きく分けると「LEDパネル」+「制御基板」+「電源ユニット」の3つで構成されています。これら全てが前述の耐用年数を持っているわけではありませんので、故障があった場合はパーツ交換等を行い、修繕しながら運用していく必要があります。とは言え、頻繁に故障が発生するものではありません。
※箱型LEDビジョンの背面
なお、税法上の法定耐用年数は、3年または5年に設定されています。
リンク:LEDビジョンの法定耐用年数と耐用年数